• 2024年9月7日
  • 2024年9月9日

お子さんのイボ治療

1.お子さんにできやすい2種類の「ウイルス性イボ」とは
2.  手足のイボの原因、症状、治療方法
3.  水いぼの原因、症状、治療方法
4.  ご家庭で気をつけること

1. お子さんにできやすい2種類の「ウイルス性イボ」とは


お子さんにできやすい「イボ」には「尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)」と「伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)」の2種類があります。これらのウイルス性イボは種類の異なるウイルスが原因で、症状や治療方法も異なります。


2. 手足のイボの原因、症状、治療方法


●手足のイボ(尋常性疣贅)の原因
お子さんの手や足の指、足裏にできやすいイボは、正式な病名を「尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)」といいます。尋常性疣贅は、ヒト乳頭腫ウイルスが皮膚の表皮細胞に感染することで生じます。手足のイボが他の部位や他のお子さんに触れることで感染が広がる可能性があります。特に小さな傷がある場所に広がりやすいです。


●手足のイボ(尋常性疣贅)の症状

手足のイボは、小学校低学年以降のお子さんに多くみられますが大人にも生じます。手や足の指、足裏などの皮膚が厚い部分にできやすいです。1つが5㎜~10㎜程の小さなできもので、少し盛り上がり表面は固くてザラザラしています。通常、痛みやかゆみなどの症状はありません。足の裏など体重がかかる部分にできた場合は、歩いた時に痛みを感じることがあり、たこやウオノメと間違われることがあります。周囲に感染することでゆっくりと数が増えていきます。


●手足のイボ(尋常性疣贅)の治療
液体窒素を使った冷凍凝固療法が一般的な治療法です。綿棒にしみこませた液体窒素を、1か所当たり数秒間×複数回塗布します。治療により一時的な痛みを生じます。通常は治療後2週間程度で一部がかさぶたになって取れます。
手のひらなどでは数回の治療で良くなることもありますが、足の裏や指など皮膚の厚い部位では1~2週間間隔での治療を数ヶ月繰り返すこともあります。根気よく定期的に通院していただくことが大切です。


3. 水いぼの原因、症状、治療方法


●水いぼ(伝染性軟属腫)の原因
お子さんの腕や足、わきの下や胸など、やわらかい皮膚にできやすいウイルス性イボは、一般名を水いぼ、正式な病名を「伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)」といいます。水いぼは、伝染性軟属腫ウイルスが皮膚の表皮細胞に感染することで生じます。

●水いぼ(伝染性軟属腫)の症状

水いぼは、乳幼児~小学校低学年のお子さんに多くみられます。健康な大人に生じることはまれです。
丸くて小さい水ぶくれのような結節(しこり)で1㎜~5㎜ほどの大きさです。中央に白い凹みがあるように見えたり、表面に光沢があり真ん中が水滴のようにも見えたりします。軽いかゆみを感じることもあります。引っかいてしまい赤くなっていることもあります。

乳幼児では、水いぼを引っかいた手でまわりの皮膚を触ることで感染が拡大して、たくさんの水いぼを生じることがあります。皮膚と皮膚が接触することにより、一緒にいる他のお子さんに感染する可能性もあります。

●水いぼ(伝染性軟属腫)の治療
水いぼは半年~数年以内に自然治癒することが多いとされています。そのため、なにもせず様子を見る先生もいます。しかしながら、他のお子さんへうつす可能性や、多発してしまう可能性もあるため、必要に応じて専用のピンセットを使って除去をします。除去する際に痛みを伴うので、水いぼの数が多い場合は痛み止めの麻酔テープ貼ってから行います。なお、湿疹を治してから水いぼを治療することも多いです。

当院では硝酸銀ペースト、モノクロロ酢酸などの保険外治療は行っていません。ご希望の方には銀イオン配合クリームクリーム(3Aims社製 M-BF CREAM)の販売を行っています。

●水いぼ(伝染性軟属腫)とプール
プールの水では感染しないので、他の子どもへの感染対策を行ったうえでプールに入っても構わないとされています(こども家庭庁 保育所における感染症対策ガイドライン)。具体的な感染対策については所属する保育所やスイミングスクールごとの決まったルールがあります。子どもから子どもへの直接接触感染以外に、タオル、浮輪、ビート板等を介して感染する場合もあります。接触後に症状が出るまで2~7週間かかるといわれており、感染源や感染時期の特定は難しいです。


4. ご家庭で気をつけること


ウイルス性イボは無意識のうちにくり返し触ってしまいがちです。その結果、いつのまにか増えてしまうことも多いのです。ウイルス性イボは、数が多いと治療が長引く場合がありますので、できるだけ早めにお近くの皮膚科医院を受診してください。

さらに詳しい内容を知りたい方は、下記リンク(日本皮膚科学会の皮膚科Q&A)をご参照ください。https://www.dermatol.or.jp/qa/qa23/index.html

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