一般皮膚科とは

当院の一般皮膚科では、皮膚・髪の毛・爪に関する診療を、基本的に保険診療の範囲で行っております。
「皮膚は内臓を映す鏡」といわれている通り、皮膚表面の症状や病気の他に、体内の異常が、皮膚の症状として出てくることも少なくありません。
「こんなことで皮膚科にかかっていいのかしら」と思わず、ご自身の皮膚に違和感を感じられましたらお早めに当院へご相談ください。

主な対象疾患

湿疹・皮膚炎

皮膚表面の炎症を湿疹・皮膚炎といいます。多くはかゆみを伴う赤い斑点から始まり、ブツブツ、小さな水ぶくれ、時にじくじくを伴った状態になり、慢性的に繰り返すと皮膚が厚くなります。これらの症状が揃わない場合もあります。疾患としてはアトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、接触皮膚炎、皮脂欠乏性湿疹などです。
湿疹・皮膚炎の原因は様々なため、必要に応じてその原因を突き止め、それぞれの症状に合ったお薬を使用し治療してきます。

じんましん

皮膚の一部が突然に赤くくっきりと盛り上がり(膨疹)、数時間で跡かたなく消えてしまう病気です。原因は食べ物や内服薬、細菌やウイルスの感染など様々ですが、6週間以上継続的に症状が続く「慢性じんましん」では、様々な検査を行っても原因が特定できないことが多いです。
治療には、内服の抗アレルギー薬などを使います。薬を内服すれば、多くの人は数日で症状が治まりますが、医師の指示に従って飲み続け、症状が再燃しないよう様子を見ながら薬を減らしていくことが大切です。難治のじんましんには皮下注射製剤を使用することもあります。

脂漏性皮膚炎

いわゆる脂漏部位(皮脂腺がよく発達し、皮脂分泌がさかんな部位)に生じる皮膚炎です。具体的には頭皮がかゆい、ふけがでるという症状が代表的で、頭皮以外にはおでこ、目や口・鼻のまわり、耳や首、わき、上背部や上胸部などにも、赤くかさかさとしてかゆみをともなう皮疹がみられることがあります。皮脂の分泌機能の異常や、皮膚に常在しているマラセチアというカビの一種が過剰に増えることが発症の原因と言われています。炎症をおさえるステロイド外用薬や抗真菌剤外用剤を使用して治療を行います。

あせも

あせもとは、大量の発汗により、汗の正常な排出が妨げられることで起こる発疹です。赤みをもった小さな発疹が急速に現れ、強いかゆみを伴います。汗を出すための管が詰まり、皮膚の中に汗がたまることで起こります。あせもを予防するには肌を清潔に保つためのスキンケアが大切です。炎症が強い場合には、抗アレルギー薬やステロイド外用薬を使用して治療を行います。

かぶれ

正式には接触皮膚炎と呼ばれる皮膚疾患で、皮膚炎のひとつです。刺激物やアレルゲンなどが部分的に肌に触れることで起こる疾患です。化粧品や合成洗剤、金属アクセサリー、消毒薬などさまざまな物が原因になりえることも特徴です。主な症状は、かゆみを伴う赤いブツブツや水疱です。
パッチテストによる検査を行い、原因を特定することができれば、その物質を避ける環境とします。ステロイド系の外用薬や抗アレルギー薬の内服などを行います。

日焼け

日焼けの原因は紫外線です。紫外線が肌表面の細胞を傷つけ炎症を起こします。一定量以上の紫外線を浴びると皮膚が真っ赤になったり、水ぶくれができたりしますが、そのような状態を日焼けといいます。これは皮膚が軽度のやけどを起こしている状態です。
日焼け止めや日傘などセルフケアで防止するのが一般的ですが、少量の紫外線でも日焼けを起こす場合は早めに当院へご相談ください。

手荒れ

手の甲・手のひら・指・指先のかさつきとかゆみから始まり、赤みや腫れ、水ぶくれ、ひび割れなどの症状が起こるのが手荒れです。水や洗剤などにより皮膚表面の水分や皮脂が減少する、刺激物質・アレルギー物質に接触するなどを繰り返すことにより引き起こされます。水仕事の多い方に現れる傾向があります。ステロイド系の外用薬や抗アレルギー薬の内服などで治療を行います。

皮脂欠乏症

皮脂(皮膚の表面にある脂分)が減少し、皮膚が乾燥する病気です。特に空気が乾燥し汗をかきにくくなる秋から冬にかけて症状が出やすくなります。皮膚が乾燥してカサカサしたり、白い粉がおちたりしてかゆみを伴う違和感を覚えるようになります。軽度な場合には保湿やスキンケアで対処するのが一般的ですが、強いかゆみが出る、症状が長引いている場合はご相談ください。症状に応じてステロイド外用薬等を使用し治療していきます。

円形脱毛症

円形脱毛症とは、突然髪の毛が抜ける病気です。性別や年齢を問わず発症し、最も多い症状は硬貨くらいの大きさの脱毛斑(髪の毛が抜け落ちた跡)です。他にもさまざまな種類があり、脱毛の個数や範囲の広さで重症度が判定されます。円形脱毛症はこれまでストレスが原因と考えられがちでしたが、免疫が局所的に過剰に働くことで起こる「自己免疫性疾患」の一つであるということがわかっています。
軽症の場合自然治癒することもありますが、重症化すると治療に時間がかかるため、適切な評価に基づいた治療が重要です。症状に応じて、塗り薬、光線療法、飲み薬などで治療を行います。

AGA

AGAは「男性型脱毛症」ともいわれ、通常30歳前後から発症し、40歳以降に薄毛が目立ってくる状態のことです。髪の毛にはヘアサイクルと呼ばれる毛周期がありますが、この毛周期の乱れにより成長期の期間が短くなることによって生じます。特徴として、前頭部や頭頂部の髪の毛が次第に柔らかく細い毛になり(軟毛化)、最終的には髪の毛が頭皮にあらわれなくなっていきます。AGAは進行してしまうと治療が難しくなる場合もあります。AGAが気になる方は早めに予防・治療を開始することをお勧めしております。当院では患者様の症状にあわせて外用薬や内服薬を使用し、治療を行います。

にきび

にきびは非常に身近な病気です。皮脂の多い部分、特に、顔にできやすく、赤みが強ければ目立ち、治ってもにきび跡が残ることも多いため、苦痛に感じられることも少なくありません。繰り返すにきびは皮膚科へご相談ください。患者様の症状に合わせて、ピーリング作用のある過酸化ベンゾイル、アダパレンや抗菌薬などを使用して治療を行います。

赤ら顔

赤ら顔とは、顔が赤みを帯びている状態が続く症状のことをいいます。赤ら顔の原因は、表皮の毛細血管が拡張して頬に細い血管が見えている場合や、乾燥などでバリア機能が低下した肌が炎症を起こして現れる場合、ニキビなどの炎症により肌そのものが赤くなる場合などがあります。保険診療では酒さに対しては外用療法を行います。

水虫・爪水虫

水虫は足などに白癬菌(はくせんきん)というカビの一種が足に寄生して起こる感染症です。皮膚がただれたり、ぽろぽろと剥け、痒みを伴うことが多いです。また、白癬菌が爪に感染し、爪が白く濁る、分厚くなる、変形するなどの症状が現れることもあります(これを爪水虫といいます)。治療は抗真菌薬の塗り薬を用います。爪まで水虫が感染している場合には、状態に応じて抗真菌薬の飲み薬を使うこともあります。

ぜにたむし

ぜにたむしとは、白癬菌(はくせんきん)というカビの一種が体幹四肢に寄生して起こる感染症です。動物との接触や本人の水虫、身体接触の多いスポーツなどが原因で感染します。腕・体幹などに、強いかゆみを伴う環状の発疹が現れるのが特徴です。抗真菌薬の塗り薬を使用して治療を行いますが、状態に応じて抗真菌薬の飲み薬を使うこともあります。

カンジダ

皮膚カンジダ症は、股部・陰部・おむつ部・手指の第3指間など、湿って擦れやすい部分に生じます。ジクジクした紅斑ができ、その中や周囲に小さい水ぶくれや白い膿(うみ)が見られ、多くはかゆみを伴います。カンジダは常在菌ですが、通常は発病に至りません。しかし免疫力の低下、高温・多湿などの環境因子、多汗などが原因となって皮膚カンジダ症が発症することがあります。治療は抗真菌薬の塗り薬を用います。

癜風

癜風はマラセチアというカビが増殖し、皮膚の表面に茶色、白色の斑点が出る病気です。基本的にかゆみはなく、少し粉が吹いたようにカサカサするのが特徴です。マラセチアは常在菌で皮膚の表面には誰にでもいますが、汗をかくことの多い夏の時期に胸・背中を中心に症状が出ます。治療は抗真菌薬の塗り薬を用います。一ヶ月ほど継続するとカサカサが改善されます。色が元に戻るまでにはさらに数ヶ月かかります。

トンズランス感染症

トンズランス感染症とは、柔道やレスリングなどの格闘技選手の間で増えている真菌感染症です。「トンズランス菌」という、外国から持ち込まれた真菌症です。トンズランス感染症は、格闘中に接触する身体と頭によく現れます。感染力が高く一度感染すると完治しづらいという特徴があり、治療は塗り薬ではなかなか菌陰性化は難しいため、飲み薬による治療を行います。

丹毒

丹毒とは、表皮の下にある真皮に細菌が感染して生じる病気のことです。顔や四肢に急に発症することが多く、感染した部位に赤くやや盛り上がった皮疹(ひしん)ができて痛みを生じるようになります。また、発熱や悪寒などの全身症状を伴い、リンパ節の腫れや倦怠感を伴うことも少なくありません。抗菌薬の投与により治療を進めます。

ほうかしき炎

ほうかしき炎は、丹毒と同様細菌が感染して生じる病気ですが、丹毒は細菌が真皮で発症するのに対して、ほうかしき炎は主に真皮の深い部分である皮下脂肪組織に発症するという違いがあります。症状は下肢に現れることが多く、発熱や熱感を伴います。抗菌薬の投与により治療を進めます。

口唇ヘルペス

口唇ヘルペスとは、唇または唇の周りに痛みや違和感を伴う水ぶくれができる病気です。再発性口唇ヘルペスは、神経節に持続感染している「単純ヘルペスウイルス1型」が再活性化することによって起こります。一旦症状が治まっても、カゼや睡眠不足、疲労などで免疫力が下がったときに、再発を繰り返すのが特徴です。抗ウイルス薬の飲み薬によって治療を行います。早期の治療開始が大切ですので、口や唇に違和感を感じた時点でお早めに受診してください。

帯状疱疹

帯状疱疹は、子供の頃水ぼうそうにかかった際に潜伏したウイルスが免疫低下時に活性化する病気です。水疱が帯のように体の一部の神経領域に沿って出るのが特徴で、体のどこにでも症状が出現する可能性があります。「帯状疱疹後神経痛」といって、皮疹が治った後も神経痛の後遺症が残ったり、重症の場合は水ぼうそうのように空気感染して周囲に感染させてしまったりすることもあるため早めの治療が必要です。口唇ヘルペスと同様、抗ウイルス薬を用いて治療を行います。

風疹

風疹とは、風疹ウイルスによって引き起こされる感染症です。発熱や、隣り同士がくっつかない細かい点状紅斑などの発疹、リンパ節腫脹などの症状がみられます。予防接種を行わずに感染すると症状の進行がはやいのも風疹の特徴です。麻疹(はしか)に似た発疹が出ますが、3~4日で治るので、三日ばしかと呼ばれています。風疹ウイルスには特効薬がないため、症状を和らげる治療がメインとなり、自然治癒を目指していきます。

はしか

はしか(麻疹)は、麻疹ウイルスによる急性熱性発疹性のウイルス感染症で、一般的には2~6歳の小児期にかかることが多い疾患です。ウイルスの潜伏期間は10日程度で、初期は高熱や咳、鼻水などの風邪と似た症状が現れます。3~4日後に再び39度以上の高熱と全身に赤く小さな発疹が現れます。顔や耳の後ろ、手足に広がって全身の発疹となり、発疹同士がくっついていきます。また、口腔粘膜にコプリック斑といわれる白い粘膜疹が現れるのもはしかの特徴です。はしかには特効薬がないため、治療は症状を和らげるためのお薬を使う対症療法になります。解熱剤や咳止め、消炎鎮痛剤などを服用します。

疥癬

疥癬(かいせん)とは、「ヒゼンダニ」と呼ばれる0.2~0.4mmほどの小さなダニが皮膚の角層に寄生する病気です。寄生するヒゼンダニの数によって、通常疥癬と角化型疥癬の2種類に分けられます。特に角化型疥癬は感染力が非常に強く、接触のみならず粉のような垢からも感染することがあります。ヒゼンダニを殺すための内服薬や、かゆみ止めとして抗アレルギー薬を用いて治療を行います。

毛じらみ

陰毛や体毛につくしらみです。主に性交渉によって感染する性感染症ですが、入浴などをきっかけにお子様に感染することもあります。まれにまつげやすねげに付くこともあります。フェノトリンという成分の入った市販薬を使用し、治療を行います。

やけど

やけど(熱傷)は日常生活でもよくある症状のひとつです。熱によって皮膚や粘膜がダメージを受けます。やけどの程度は、接触したものの温度と接触していた時間が関係します。すぐにやけどした部位を冷やすことが最も大切で、10~15分ほど、できれば30分冷やすと良いとされています。やけどの範囲が広い場合は救急病院などの受診をお勧めします。やけどの程度によって治療方法は異なりますが、小さなやけどだと思っても傷跡が残ることがあり(手持ち花火や加湿器によるやけど、湯たんぽやカイロによる低温熱傷)まずは受診して治療を受けることをお勧めします。

すり傷

すり傷は、お子様から大人まで日常生活で最もよく経験する傷の1つです。すり傷は転んだり足を滑らせたりしたときに、道路や壁などに手足や顔などをこすってできます。傷の深さは比較的浅いことの方が多いですが、神経が皮膚の表面に多いためヒリヒリと痛みます。まずは砂などが皮膚内に残らないようよく洗浄することが大事です。

犬猫咬傷

犬や猫に咬まれることで起こるキズです。咬まれたことで動物が口の中に持っていた細菌が体内に入ってきます。感染が起こる確率は犬では4~20%程度ですが、猫は60~80%といわれています。感染すると咬まれた部位が腫れて痛くなることが多いです。咬まれて傷ができたらまずは水でよく洗い流し、早めに皮膚科を受診してください。犬、猫いずれの場合も、内服抗菌薬を用いて治療します。

昆虫皮膚炎

蚊や蜂をはじめ、ダニ・トコジラミ・アブ・ブヨなど刺す虫によっておこる皮膚炎の総称です。痒みが強いものから、ムカデなど痛みが強いもの、チャドクガの毛虫の毛によっておこる毛虫皮膚炎は広範囲に強い痒みを伴う丘疹が出ることが特徴です。毛虫皮膚炎の治療では基本的にはステロイド外用薬を用いますが、痒みが強いときには抗アレルギー剤の内服やステロイド内服を行います。

褥瘡

褥瘡(じょくそう)は、寝たきりの生活などが長く続き、体重のかかる特定の部位の血流が悪くなることによって、皮膚組織が障害され、傷となってしまう症状です。塗り薬を使って患部を保護し、長時間同じところに圧がかからないよう体圧管理を行ないます。また日常的なケアとして、栄養管理も重要です。

おでき

おできは粉瘤と混同されることが多いのですが、実際には癤(せつ)と呼ばれる皮膚の感染症の一種です。おできの主な原因菌は黄色ブドウ球菌という皮膚にもともと生息している菌です。痛みを伴う部分的な厚みのある腫れが特徴で、数日経つと膿が現れます。基本的には内服抗菌薬によって治療を行います。

皮膚腫瘍

皮膚腫瘍は、皮膚が盛り上がったり皮下にしこりができたりする状態です。ほとんどは発生した場所で少しずつ大きくなる良性腫瘍ですが、中には悪性のものもあります。治療は手術が中心ですが、良性腫瘍の中には冷凍療法が有効な場合などもあり、発症部位によっては手術以外の治療も検討します。

皮膚がん

皮膚がんは、ほくろや良性のできもの、痛くない傷、湿疹に似た病変として現れます。皮膚がんといっても、悪性黒色腫・基底細胞がん・ボーエン病・乳房外パジェット病などいくつかの種類があります。最初は痛みを伴わないことも珍しくなく自覚症状がないことが多いですが、良性のできものや湿疹だと思って軟膏を塗るなどしても症状が改善しないのが特徴の一つといえます。皮膚に異変を感じられたら、お早めに当院へご相談ください。

たこ、うおのめ

たこ、うおのめともに足の裏の皮膚が厚くなるのが特徴です。たこは加重部の角質が外側に厚く盛り上がります。うおのめは、厚くなった角質が皮膚の内部に向かってくさび状に芯ができるためタコよりも痛みが強いです。治療としては硬くなった角質を削ります。放っておくと潰瘍になることもあるため、痛くなったら早めにご受診ください。再発予防のためにはサポーターやインソールなどを使用して患部が加重されないようにすることが大切です。

まき爪

まき爪は、爪の端が内側に巻き、爪が肉に食い込むことで炎症を起こし、激しい痛みを生じます。進行すると出血や感染が起こり、日常生活に支障をきたすこともあります。症状が軽い場合はテーピング処置や内服抗菌薬で治療を行います。形状記憶金属プレートによる爪の矯正を行ったり、爪自体を軟化させる外用剤を使用することもあります。

乾癬

銀白色の鱗屑(りんせつ:皮膚の角質が集まってできたもの粉)を伴い、境界の明瞭な盛り上がった紅斑が全身に出ます。これを尋常性乾癬といい、乾癬の患者様の多くにこの症状が起こります。
大きさ・数・形は様々で、時に大きな病変になることもあります。できやすい部位は頭部、肘・膝、臀部、下腿などで、通常内臓を侵すことはありません。痒みは約半数の患者さんにみられ、爪の変形や関節炎を伴うこともあります。稀な例ではありますが発疹が全身に及ぶこともあります。
乾癬は慢性的に良くなったり悪くなったりを繰り返し、一律にこれがよいという治療法がありません。患者様それぞれの状況やご希望に応じた治療法を選択していきます。

扁平苔癬

扁平苔癬は皮膚に赤色や紫紅色の平らで少し盛り上がったブツブツができる病気で、ひりひり感やかゆみを伴うことがあります。口唇・粘膜では白くふやけたような見た目になります。四肢や爪部、口腔粘膜、陰部に出やすく、慢性化することが多い病気です。C型肝炎ウイルス感染や金属アレルギーなどがきっかけで、免疫細胞が異常を起こし、発症すると考えられています。ステロイド外用薬を使用して治療を行います。

白斑

白斑(尋常性白斑)は、何かしらの原因によって皮膚の色が部分的に白く抜けてしまう後天性の色素脱失症のひとつです。色素脱失症の中でも患者数が最も多い疾患です。このような症状は、メラニンを作る細胞が減少あるいは消失するためとされますが、現時点では明確な原因は特定されていません。また皮膚の一部の色が変化する以外は、これといった症状はみられないのも特徴です。白斑は境界がはっきりしたものが1~2個生じる場合、体の広範囲にわたって生じる場合など様々です。治療では主にステロイド系の外用薬を使用します。光線治療や特殊な植皮術を行う場合もあります。

水疱症

水疱症は、皮膚にみずぶくれやただれを生じる病気をまとめた総称です。といっても、やけどや虫刺されによる水ぶくれは水疱症には含まれません。水疱症とされるのは、自分の皮膚の成分に対する自己抗体を作ってしまう免疫異常で生じる疾患、あるいは遺伝子異常による先天性の疾患です。当院では主に、前者の免疫異常で起こる後天的な水疱症を診療いたします。自己抗体産生を抑える目的、でステロイド系の内服薬を用いる治療が一般的です。水疱症の種類と程度によっては、病院での点滴治療を優先的に行うことがあります。

膠原病

膠原病についての明確な定義はありませんが、本来細菌やウイルスなどを排除する役割を持つ免疫が異常を起こし、自分の体の成分に対する自己抗体を産生し攻撃する自己免疫疾患です。全身の血管や皮膚、筋肉、関節などに炎症が見られ、原因不明の発熱や湿疹、関節の痛み、皮膚の硬化などの症状がみられます。当院では、膠原病の中でも軽症の方の繰り返す顔や手の紅斑、しもやけなど、皮膚に関する症状の治療を行います。